【反社・不当要求対応】取引先との関係遮断の方法を解説!

【反社・不当要求対応】取引先との関係遮断の方法を解説!
目次

1. 取引先との関係遮断が必要になるケース

契約を締結した後の事情の変化により、既存の取引先との契約関係を終了させる必要があるケースがあります。

具体的には以下の様なケースが想定されます。

  • 取引先が反社関連企業であることが判明した場合
  • 取引先から不当要求を受けている場合

では、実際に取引先との関係遮断はどのように行えばよいのでしょうか。

2. 取引先との関係遮断の方法

(1) 契約の解除

まずは、取引先との契約書の内容を確認しましょう。

その中で契約違反に該当する事由がある場合には、当該契約違反に基づく契約解除を行うことが有用です。

契約違反の具体例としては下記のようなものが考えられます。

  • 売買代金/業務委託料等の金銭の未払い
  • 納品物の納入遅延
  • 反社条項への違反

契約違反を問う場合には、それを裏付ける証拠を確保する必要があります。例えば、売買代金や業務委託料の支払遅延であれば、支払時期を証明する契約書や請求書、支払先口座への入金履歴の不存在等になります。

契約違反の中でもその証拠を確保しにくいものもあります。例えば、反社関連企業であることや不当要求を行っていることを理由にする場合です。前者の場合、反社関連企業と断定できるほどの証拠が確保できることは稀ですし、後者の場合には不当要求該当性に関して主観的な判断の割合が高くならざるを得ないためです。

契約違反の事由毎に証拠の確保の難易度が異なることを踏まえ、契約違反に基づく契約解除を行う場合には、裁判外における主張を裁判でも維持できるほどの証拠があるか否かを慎重に判断する必要があります。

(2) 契約期間の満了

(1)に記載したような契約違反に該当する事由が無い場合やその違反の程度が軽微であり契約解除が難しい場合には、契約期間の満了による関係遮断を検討する必要があります。

契約期間の満了による関係遮断の場合、取引自体が適正に行われており契約違反に該当する事由が無くとも契約関係を解消できる点がメリットです。

一方で、契約期間の満了日が取引関係の解消日になるため、解約時期を任意の時期にコントロール出来ないという点がデメリットです。そのため、契約期間が長期間に設定されており残存期間が長期である場合、契約更新を終えたばかりである場合などには契約期間満了日まで待つことが現実的に可能であるかを検討する必要があります。

(3) 取引量の減少

(1)の契約違反による契約解除、(2)契約期間の満了による契約関係の解消のいずれでも出来ない場合には、取引関係を形式上維持しつつも取引量を減少させることで事実上取引停止の状態にすることが考えられるます。

特に、基本契約を締結した上で個別の受発注ごとに個別契約を締結している場合には今後の発注量を止めることで取引量の減少を行うこと自体は容易に実施できます。

一方で、契約関係を解消することで自社の事業運営に支障が出てしまうことがある点に留意が必要です。自社製品の重要な材料の仕入先である場合や主要な販売先である場合には、契約関係を解消することによる事業運営へのインパクトの確認を行い、代替的な取引先を確保するなどの必要な手当てを行いましょう。

3. 実務上の対応

取引先との契約解消において、契約違反に該当する事由があった場合であっても、関係性の悪化を避けるために契約期間の満了や取引量の減少による取引関係の解消を図ることも多くあります。取引先との関係、取引先の業界内の地位、取引先との取引を終了させることによる事実上の影響などを加味して柔軟に対応することが重要です。


TECH GOAT PARTNERS法律事務所では反社会的勢力との関係が疑われる取引先や不当要求を行ってくる取引先との契約関係の解消の取引に関する具体的なアドバイスを行っています。関係を解消したい取引先がある企業様はまずはお気軽にご相談ください。