契約書

【弁護士が執筆】内容証明郵便に記載されている回答期限の意味

【弁護士が執筆】内容証明郵便に記載されている回答期限の意味
目次

1 はじめに

 解雇した従業員から元従業員の弁護士から内容証明郵便が届きました。内容証明を確認したところ、「内容証明が届いてから14日以内にて会社としての対応を連絡せよ」と記載されていました。

 元従業員に限らず、取引先や第三者とトラブルが発生した際に、相手方の代理人弁護士から内容証明が届くことは珍しくありません。そして、内容証明には回答期限が指定されていることも多いです。では、この回答期限は遵守しなければならないのでしょうか。また、回答期限を遵守しなかった場合にはどのような事態になるのでしょうか。

2 内容証明に記載されている回答期限の法的拘束力

結論として、内容証明にて相手方が指定している回答期限を遵守する法的な義務はありません。なぜなら、あくまでも相手方が一方的に指定している期限であるからです。

そのため、内容証明に記載されている回答期限を超過して回答すること自体で何か法的なペナルティは発生しません。

3 回答期限内に回答しなかった場合に発生する事態

回答期限内に回答をしなかった場合、相手方としては、「相手方の主張に応じる意思が無い」または「相手方との裁判外の交渉に応じる意思が無い」と判断する可能性があります。

そのため、回答期限内に回答がない場合には、相手方が考えている次の行動を移すことがあります。具体的には、訴訟提起、つまり裁判手続きを開始することが想定されます。

4 取るべき対応

相手方が指定する回答期限内に回答する法的義務はないため、基本的には自社のスピード感で回答を行えば良いです。

もっとも、回答期限を経過すると、裁判外交渉を行う意思が無いと判断される可能性もあるため、裁判外交渉を行う意思がある場合には、①回答期限内に回答をするか②回答期限を超過して回答を行う予定であることを相手方に伝える、のいずれかの方法で対応するのが望ましいところです。


TECH GOAT PARTNERS法律事務所では、取引先、元従業員、第三者から届いた内容証明郵便への対応に関するサポートを行っております。まずは、こちらからお気軽にご相談ください。