闇バイトに関する出張授業の実施などの青少年への啓蒙活動
1 闇バイトとは
「闇バイト」とは、犯罪の実行役のことをいいます。犯罪の種類に特に限定はありませんが、窃盗・強盗の実行犯、薬物の運搬役(運び屋)、オレオレ詐欺(特殊詐欺)の受け子・かけ子に関する募集が多いのが実情です。「バイト」という言葉が入っていることから、「アルバイト」の一種の様にも思えますが、実態としては単なる「犯罪の実行役」であることに十分注意が必要です。
2 闇バイトに関する青少年への啓蒙活動
(1)「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺に事案に関する緊急対策プラン」
2023年3月17日、犯罪対策閣僚会議にて、「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺に事案に関する緊急対策プラン」(以下「緊急対策プラン」といいます)が策定されました。
緊急対策プランでは、SNS上の闇バイトの募集に応募した実行犯による一連の強盗事件が広域で発生していることや、オレオレ詐欺(特殊詐欺)の認知件数が令和3年以降増加傾向にあること等を踏まえて作成された、SNSで実行犯を募集する犯罪事案に対するより踏み込んだ対策です。
緊急対策プランは大きく以下の4つに分類されています。
1 「実行犯を生まない」ための施策
2 「実行を容易にするツールを根絶する」ための施策
3 「被害に遭わない環境を構築する」ための対策
4 「首謀者を含む被疑者を想起に検挙する」ための対策
(2)青少年に対する啓蒙活動
上記1「実行犯を生まない」ための施策の一つとして、「青少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させない教育・啓発」が挙げられています。闇バイトの募集は、職安法違反で逮捕するなどして摘発はされているものの、その全てを捜査機関が摘発することは難しいのが実情です。そのため、闇バイトの勧誘を受ける立場である青少年に対する啓蒙・教育が非常に重要になります。
青少年に対する啓蒙活動はいろいろな方法により実施されています。
例えば、東京都では、2022年から、ターゲティング広告による啓蒙と特設サイトの設置を行っています。青少年が「闇バイト」に関連するワードを検索サイトやSNSで検索することを前提とした施策として現代に即した施策といえます。
※参考「若者の「闇バイト」を思いとどまらせるためにターゲティング広告による警告と特設サイトによる啓発を開始ターゲティング広告による加害防止対策は、全国の自治体で初!」
また、弁護士会による闇バイトを中心とする各種犯罪の加害者・被害者にならないことを目的とした出張授業も行われています。日々闇バイトについて情報収集等をしている現役の弁護士が青少年に直接話をすることで、闇バイトに関与してしまうリスクについてリアリティのある内容を伝えることを目的としています。
※参考 「出張授業 ~社会に出てから気をつけていただきたいこと~」 第二東京弁護士会
※上記出張授業では、民暴介入暴力対策委員会からの講師として本記事の執筆者が登壇しています。
3 出張授業
TECH GOAT PARTNERS法律事務所では、小学校・中学校・高校・大学・PTA・専門学校・その他の教育関係団体における「闇バイト」に関する出張授業を承っています。
出張授業では弁護士 新井優樹がゼロから作成したパワーポイントの資料を使用します。視覚的な情報が多い授業になっていますので、幅広い年代向けに授業が可能です。
「闇バイト」以外にも、「パパ活」「ママ活」「オーバードーズ」といったテーマに関する出張授業にも対応可能ですので、出張授業をご希望の方はこちらからお問い合わせください。